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【プレスリリース】京都大学・HiLung社との共同研究により、ヒトiPS細胞由来肺前駆細胞の拡大培養とマウス肺への移植・生着に成功

共同研究 | 2021-07-29

呼吸器疾患領域には、数多くの難治性疾患が存在します。外科的肺移植以外の有効な治療法がないため、細胞治療などの肺再生医療へのニーズが高まっています。ヒトiPS細胞は再生医療において有用なツールですが、これまでヒトiPS細胞由来細胞を肺に移植して肺胞上皮細胞として生着させた論文報告はありませんでした。 京都大学大学院医学研究科 呼吸器疾患創薬講座 後藤慎平特定准教授、同医学部附属病院呼吸器内科 池尾聡医員、同呼吸器疾患創薬講座 山本佑樹特定助教(当時・現HiLung株式会社 取締役)らは、ヒトiPS細胞から分化させた肺前駆細胞を免疫不全マウスの肺へ移植して長期生着させることに成功し、さらに株式会社セルファイバ 池田和弘CTOらとの共同研究で、細胞をファイバ化する技術を用いることで、ヒトiPS細胞から分化させた肺前駆細胞を幹細胞の性質を保った状態で拡大培養できることを発見し、その細胞を免疫不全マウスの肺へ移植して生着させることにも成功しました。生着した細胞を解析すると、マウス体内で肺胞をはじめとする様々な呼吸器上皮細胞に分化していることも証明しました。本研究成果はヒトiPS細胞を用いた肺の再生医療に向けた大きな一歩であり、難治性呼吸器疾患の治療法開発に向けて今後が期待されます。 本研究成果は2021年7月20日に国際学術誌「Biomaterials」にオンライン掲載されました。

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